温泉療法(バルネオセラピー)とは?温泉の定義を含めて解説します。

バルネオセラピー(バルネオテラピー)とは「入浴療法」「温泉療法」を指します。

このページでは温泉療法の全体像を理解して頂けるように解説します。

温泉療法の種類

「狭義の医療的温泉療法」

温泉病院という施設で行われる、慢性病の治療やリハビリを指します。病院での治療ですから、医師の管理下で行うものです。

あまり一般的には知られていないのですが、地方を中心に「温泉病院」と呼ばれる施設があり、温泉を併用した治療が行われています。

(参考までに、全国の温泉病院一覧はこちら

「温泉ウェルネス」

「特定の病気を治すために…」とか「医師の管理下で…」という厳格なものではなく、もっと広い意味で「温泉を健康づくり、病気の予防・保養に活用する」ことです。

一般的に「温泉療法」とか「湯治」という言葉は、この温泉ウェルネスを指すことが多いです。(温泉ウェルネスって、ネーミングセンスが微妙だ…笑)

簡単に言えば、「温泉を、自然治癒力の向上に活用しよう」ということで、行楽としての心身リフレッシュも含まれます。

もうちょっと本格的な場合は温泉浴だけでなく、マッサージや温熱療法のような理学療法、温泉プールでの水中運動、食事療法、心理的リラクゼーション法なども取り入れた複合療法を行うことになります。

なんだかスパに行ってリラックスしたい気分になりますね。(笑)

その他、世界の温泉療法

日本のように温泉がたくさん湧いている国は非常に珍しいので、世界的にはあまりメジャーな療法にはなり得ません。

なので「バルネオセラピー」という言葉は、国によっては「水中で行う理学療法」という意味しか持たない場合もあります。(リハビリのような水中歩行など)


一方、日本と同じく「自然湧出の温泉を、医療や健康づくりに活用する」研究がされている国と言えばドイツです。

ドイツでは様々な代替療法が受け入れられ、研究されています。西洋医学以外でも医療先進国なんですね。

 

そもそも「温泉」ってなんだ?

温泉の定義は、効能とはあまり関係ない

温泉の定義は、「温泉法」で温度と成分が定められていて、「地中から湧き出る水のうち、以下のどれかを満たすもの」です。(1つでも合致すればOK)

①温泉源から採取される時の温度が25℃以上

②法で指定された成分18種類のうち、一種類でも規定量以上含まれているものがある。

③湧き水1kgの中に溶け込んでいる物質の総量が、1000mg以上。

ザックリ言うと、温かい水が湧いていればそれで「天然温泉」。色々溶け込んだ湧き水も「天然温泉」。健康への効果はあまり関係ありません。

「療養泉」という定義

温泉(上記①②③のどれかを満たす湧き水)のうち、治療目的に役立ちうる湧き水を「療養泉」と呼びます。体に良さそうな感じがしますね。

条件は以下の3つです(1つでも当てはまれば療養泉)

①温泉源から採取される時の温度が25℃以上(温泉の定義と同じ)

②法で指定された成分6種類のうち、一種類でも規定量以上含まれているものがある。

③湧き水1kgの中に溶け込んでいる物質の総量が、1000mg以上。(温泉の定義と同じ)

…いやいや、温泉も療養泉もほとんど同じだ!(笑)。言葉の定義よりも、「実際に効果があるかどうか」で温泉を選んだ方が良さそうです。

自然現象なので定期検査が要るもの

温泉は湧き水(自然現象)なので、時間と共に温度や成分が移り変わります。10年前は温泉として認定された湧き水も、再検査したらもう温泉ではなかった…ということも起こります。

すると今後その湧水を「温泉」と謳うことは出来なくなりますから、温泉施設の経営にも重大な影響がありますね。(水道水を温泉と詐称していた温泉施設も過去多くあります)

温泉施設には10年ごとの成分分析が義務付けられており、検査費用は施設の負担で10万円ほど。10年ごとの検査をせずに温泉を謳っていると違法となり、30万円以下の罰金となります。

しかし、温泉の成分検査を行う機関が少なく、日本中の温泉に検査を行き届かせるのは事実上難しい状態のようです。

どうせ行くなら、定期的に成分検査をしている本物志向の温泉施設に行きたいですね。

温泉の何が体に良い?おおまかに3要素

物理的性質

浮力、水圧、温度などが活用できます。(これは温泉か水道水かは関係なく「湯に浸かること自体の効用」なので、入浴療法という言葉の方が合います。)

例えば浮力を活用すれば、筋肉が衰えていても自力歩行によるリハビリが出来ます。

また、半身浴や全身浴でかかる水圧を利用したり、体温変化を生むことで自律神経のトレーニング・調整を促します。(持病のある方はやり方に注意)

化学的性質

湯に溶け込んでいる成分の効能です。温泉に含まれる成分は皮膚から吸収されるため、泉質によって様々な健康効果があるとされています。

医学的に効果があるとされているのは、①単純温泉、②塩化物泉、③硫酸塩泉、④炭酸水素塩泉、⑤硫黄泉の5つの泉質です。これは別記事で解説します。

また、温泉の化学的性質は繊細なものです。

効果を損なわないために、源泉採取後は出来るだけ空気に触れないようにするなどの管理も重要です。

心理的な効果

これはシンプルで、「温泉に浸かって気持ちいい~!」とか「旅行楽しいなあ~」とか「温泉入ったから健康になる気がする!気分良くなってきた!」という楽しさのことです。心理的なリフレッシュも意外と大事で、体調を整えてくれるものです。

ちなみに僕は露天風呂から海を見るのが好きです。

風呂の効能は、大まかにこの3つに分けられることを特に覚えて頂きたいと思います。

 

以上、温泉療法の概要でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。