リフレクソロジーの効果は嘘なのか?代替療法としての捉え方を全てまとめました。

皆様はリフレクソロジーという手技療法をご存じでしょうか?

reflex(反射)とlogy(学問)という言葉が合わさったもので、反射療法とも訳されます。

このブログを読まれている方の中には、色々な療法を調べている方も多いと思うので、名前は聞いたことがあるかもしれません。

今回はこのリフレクソロジーを取り上げます。

リフレクソロジーって何?

足の裏にある「反射区」を刺激する療法

足の裏にある「反射区」に撫でる・押すなどの刺激を加えることで、対応する器官の働きを向上させ、自然治癒力の活性化を促す療法です。

足の裏(手の平を含むこともある)には数多くの「反射区」と呼ばれる場所があり、それぞれが体内の器官と対応しています。

(足裏の反射区が示された図を「フットチャート」と呼び、このページのトップ画像になっています。)

「反射区」の仕組み

反射区を刺激することで、対応する臓器が正常に働くよう活性化できるとされていますが、反射区と臓器との関係に医学的根拠はなく、経験則によるものです。よって仕組みは謎です。

また医学で「反射」というと、例えば膝をハンマーで軽く叩くと足がポンと上がるなどの無意識の反応を指しますが、リフレクソロジーでの「反射」は、単純に「臓器との繋がりがある」という程度の意味で捉えて下さい。

疲労している臓器があると対応する反射区が固くなるので、リフレクソロジストが足裏を触れば疲労している臓器が分かるそうです。(硬結部分を「クリスタル」と呼ぶ)

僕の個人的な考え

体に優しい対症療法

薬などを使わずに自然治癒力を高めるアプローチなので、とても体に優しい療法だなと思いました。

ただし、あくまでも対症療法的に使うものであって、根本治療ではありません。

「慢性的に悩んでいる病気や症状を治すため」という目的を持った時には、リフレクソロジーを選択するかと言えばNOです。施術で一時的に改善する可能性はあると思いますが、「受けて数日は楽になるけど、また元に戻ってしまう」パターンがほとんどだと思います。

そこまで不健康でない人が、疲労の回復やリラックスのために活用するのは良いと思います。セラピストとの会話も癒しになるかもしれません。

リフレクソロジーの効果は、あると思う。

反射区と臓器の関連については医学的根拠がありませんが、だからと言って「デタラメである」とするのはあまりにも早計だし、物質主義に傾きすぎだと思います。

足裏への刺激が健康に良いことは遥か昔から言われていますし、「施術後に体が楽になった」という人がたくさんいるのは明白ですから、リフレクソロジーは人に回復をもたらせる技術だと考えます。

ただしリフレクソロジーもセラピストも万能ではないので、療法のことをしっかりと勉強し、正しい付き合い方をするのが大事です。

個人的には、疲労が大きい時の一時的な癒しとして使いたいと思います。

具体的な効果についての見解

リフレクソロジーの最大手であるクイーンズウェイでは、全てのサービスについて「心と身体のリラクゼーション」「健康の維持・増進」を目的としており、具体的な病名や症状の改善を目的にはしていません。(法律的な関係でそういうことが言えない)

「リフレクソロジー 効果」と調べれば色々出てきますが、基本的には肩や目や腰が楽になったとか、花粉症が楽になったとか、むくみがスッキリしたとかで、簡単に言えば各器官が活性化することで心身の状態にも改善が起こりうるということです。

「美容に良い」ともよく言われますが、元々体には新陳代謝しようとする働きがあって、それが全体的に活性化されるということですね。

そういえば女性の場合、生理中や妊娠中の施術の可否については色々な意見があります。受けようと思っているお店のサイトを見たり問い合わせてみて下さい。いずれこのへんもバシッと解説できるように勉強します。

主なリフレクソロジーの種類

英国式リフレクソロジー(西洋式)

足裏への刺激が比較的優しいのが特徴です。

藤田桂子さんという方が英国で学び、1997年に日本初のリフレクソロジーサロン「クイーンズウェイ」を設立したことから日本のリフレクソロジーが始まりました。当初は「フットケア」とも呼ばれていたようです。

本来の西洋式リフレクソロジーではかなり優しく足裏を刺激するようですが(西洋人は基本痛いの嫌いらしい)、クイーンズウェイでは「日本人好みのちょっぴり強めなイタ気持ちイイ刺激」に調整して行われているようです。

なおリフレクソロジーの発祥はアメリカですが、日本には英国で学んだものを持ち込んだため「英国式」と呼ばれているようです。英国式ってなんだか高貴な、貴族的な感じがしますね。笑

台湾式リフレクソロジー(東洋式)

英国式と違って足裏を押す力が強く、「痛い方が効いている」という思想が背景にあります。

この考えが好きな人は多いですが、個人的には反対です。「慣れて体が良くなれば痛くなくなる」と言いますが「飲みまくれば酒に強くなる」じゃあるまいし、体が鈍感になっているだけだと僕は思います。

たまに足つぼマットの上を走り回れる人がいますが…、強い衝撃がかかった時には痛いと感じられる人の方が正常だと思います。

 

「強く押さなければ効かない・感じない」というのは、体の反応や感覚が鈍い状態だと思っていて、それよりも、弱い刺激でも体が素直に反応し、細かい刺激を感じ取れる状態が良い体だと思います。

(※個人の見解です。今後の勉強・経験により考えが変わる可能性もありますがその時は追記します)

なお、英国式も台湾式も理論自体は同じです。反射区の位置に違いはありません。

「足ツボ」にも色々ある!!

ここ重要です。笑

このような画像を見たことはありませんか?

 

このツボは、中医学(いわゆる東洋医学)における概念です。

人間の全身には気(エネルギー)が巡っていると考え、気が巡る経路上の要所を「経穴」と呼び、これを別名「ツボ」と呼びます指圧や鍼灸などで刺激して体の調整を行います。

経穴(ツボ)は足だけでなく全身にあり、360余り存在します。

 

一方この画像↓

これは、リフレクソロジーという療法体系における「反射区」という概念を表したものです。

中医学の経穴は全身にありますが、反射区は基本的に手と足にあるとされています。(手足の反射区を活用して、全身の働きを整えていきます)

リフレクソロジーの施術の際には主に足を刺激することが多いです。

 

中医学の「経穴」と、リフレクソロジーの「反射区」。日本ではどちらも「足ツボ」で混同されていますが、全く異なる概念なので注意が必要です。

 

リフレクソロジーの歴史・原典をざっくりと

発祥はイギリスでも台湾でも中国でもなく、アメリカです。

現在の麻酔がまだ無く、外科手術が壮絶なものだった1900年頃、外科医のウィリアム・フィッツジェラルド医師は、患者の痛みをコントロールする方法を模索していました。

研究の結果彼は、手の指先を金属のクリップで挟み、指の関節をゴムバンドで縛ることで、顔面と首に麻酔効果を得られることを突き止めました。

 

彼は、手や足の末梢神経と全身が相互に影響し合っていることを確信し、1917年にエドウィン・F・バウアーズ博士と共同で『ゾーン・セラピー』という本を出版しました。

この研究の時点では「手足と全身の関係を利用して、どうやったら痛みが取れるか」がメインなので、まだリフレクソロジーの形にはなっていません。

 

その後、ユナイス・イングハム看護師がゾーンセラピーを発展させ、足は全身の器官と関係があることを発見し、反射区の位置を突き止め、効果的な手技も確立しました。(すごいですね)

そして1938年、彼女は原典となる『Stories The Feet Can Tell』(「足が語る物語」という意味)を出版し、リフレクソロジーという療法体系が完成しました。

後年には『Stories the Feet Have Told』(「足が語った物語」という意味)を出版。現在はこの2冊がセットになった本が原典として販売されています。

これらの本は7ヶ国語に翻訳され、世界中にリフレクソロジーが伝えられました。

 

いずれの本も、残念ながら日本語版はありません。

しかし海外では文化的に重要であるとされ、100年程度前の本にも関わらず復刻されて現在も販売されています。(↑リンクを貼りました)

リフレクソロジーの色々な流派

インガム・メソッド

ユナイス・イングハム看護師が開発したやり方です。創始者の手法であるため、原点と言えます。

世界三大リフレクソロジー

ベイリー式(英国式)、マルカート式(ドイツ式)、若石健康法(台湾式)の3つが世界三大リフレクソロジーと呼ばれています。

反射区の位置は同じですが、手技の型だったり、背景にある思想など微妙な違いがあります。分かりやすい違いをいくつか取り上げます。

どこを施術するか?
→英国式とドイツ式は足裏(何らかの事情で足に触れない場合は手を施術)。若石は膝から下全体。

皮膚保護のために何か塗るか?
→英国式はパウダー。ドイツ式は何も塗らない。若石式は専用のクリームを塗る。

左右どちらから施術するか?
→英国式とドイツ式は右から。(左には心臓の反射区があり、そこに急な刺激を与えないようにするため。西洋的・解剖学的な見方ですね)
若石式は左から。(中医学の陰陽概念で「陽」である左側からスタート。膝下から入念にやるため左スタートでも良いのだと思います)

痛みの強さは?
→ドイツ式は「痛みを感じさせない施術」を重視。英国式と若石式は「痛気持ちいいくらい」。

 

なおテレビ番組の「足つぼ体験」で激痛にもだえているタレントがいますが、あれはわざと激痛派の施術者を招いているのかもしれません。

痛めの施術をする台湾式の施術者であっても、激痛だと心身が緊張して効果が半減すると考える人も多く、実際には「イタ気持ちイイくらい」の施術が多いようです。

ローラ・ノーマン式

アメリカのローラ・ノーマンによって開発された方法で、手、足、顔、耳に施術を行います。

割と立派な公式サイトがあり、アメリカで最も有名なリフレクソロジストだと書かれています。古いですが彼女の著作が日本でも出ているようです(絶版)。

ソレンセン式(フェイシャルリフレクソロジー)

デンマークのロネ・ソレンセンが作った手法で、顔を中心に刺激することで全身を整えることを目指しています。日本の公式サイトはこちら。

フェイシャルリフレクソロジーJAPANによると、デンマークでは割とリフレクソロジーがメジャーらしいです。果たしてそれが本当なのか、いつか現地で聞き取り調査をしてみたいですね。

色々な流派があるけれど、ぶっちゃけ…

乱立しすぎでわけわからん!!

正直、リフレクソロジーは流派が乱立しすぎていてよくわかりません。教える人(学校)と施術者一人一人の考え方次第で自由にやっている状態です。

学校やサロンを調べても「〇〇式を改良したオリジナルプログラム」とか「〇〇式と××式を組み合わせて…」などと更に分かれていますから、「どの流派が一番優れているか」という比較は不可能です。

また「英国式」とか「ドイツ式」と言っても、別に国家で規格が統一されているわけではありません。単にそれぞれのお国柄に従って(施術効果は出しつつ、お客さんが来てくれる方法に)発展したということです。ドイツで痛い施術とかやっても流行らなさそうですからね。

僕ならどうチョイスするか?

治療を目的とするならチェーン店は活用せずに、自営でやっている治療実績豊富な施術者にやってもらいます。あるいは原点であるインガム・メソッドの施術を受けるのが王道で良いかなと考えます。

ただしあくまでも対症療法なので、僕が本気で何か治療しようと思ったらそもそもリフレクソロジーは使わないと思います。

 

個人的には、疲れた時にふらっと立ち寄って、柔らかい雰囲気のお姉さんとトークしつつまったり受けたいですね。(笑)

リフレクソロジーの老舗であるクイーンズウェイは、店舗の雰囲気が良いのと接客がすごく丁寧らしいので、そこで一度受けてみたいですね。痛みは苦手なので、優しめの施術を要望すると思います。笑